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飛蘭(フェイラン)さんのインタビューを掲載いたしました!(10/11)⇒GO!
♦ 首都圏外郭放水路 ロケハン取材レポート ♦

 『喰霊-零-』第1話劇中において、火車を除霊するための大量の霊水を流すのに使用されたのが「首都圏外郭放水路」である。 この首都圏外郭放水路は、埼玉県に実在する施設である。埼玉県中川流域は、かつて非常に洪水の多い地域だった。これは、この地が荒川、利根川、江戸川といった大河川に囲まれた低地であり、河川の勾配も緩やかで、水が海へと流れにくく溜まりやすいという地形の特性によるものであった。そのため、大雨のたびに洪水が発生していたのである。
そこで利根川(大落古利根川)、中川、江戸川を横断するように、地下約50mの所に全長約6.3kmのトンネルを掘り、大雨時に増水した川の水を江戸川へと排水することによって洪水を防ぐため、13年の歳月をかけ2006年に完成したのが、この首都圏外郭放水路である。 今回『喰霊-零-』で首都圏外郭放水路を描くにあたり、事前に外郭放水路へのロケハン取材が行われた。ここでは、そのロケハン取材の時の模様を紹介したい。


 スタッフはまず、江戸川沿いにある庄和排水機場を訪問。ここは、外郭放水路全体を監視・コントロールする施設であると同時に、見学者向けの施設である「龍Q館」が存在する。「龍Q館」は一般開放されており、予約しなくても見学が可能(定休日あり)。

 外郭放水路のコントロールルーム。窓ガラス越しに見学することができた。

「龍Q館」内では外郭放水路についての説明展示や、放水路各施設の模型が展示してある。
スタッフはこれら放水路の模型や構造図を見ながら「ここからナツキが入って……」「ここをバイクで走って……」と、物語の展開について検討していた。

 流入施設を外から見学。川が増水したときは、ここから川の水が地下トンネルへと入っていく。
「クドウ:南無阿弥陀仏!」で爆破されたシーンはここ近辺を参考にしたようですね。


 左写真は立坑の外観で、右写真は「龍Q館」に展示されていた立坑内部の写真。外郭放水路には5つの立坑が存在し、それぞれの川沿いの流入施設から洪水が取り込まれるようになっている。大きさはそれぞれの立坑によって異なり、深さ約70m、内径は約15m〜30m。
「ナツキと火車が飛び込んだところはここがモデルでしょうか?」




 実際に、外郭放水路の調圧水槽へと入っていく。調圧水槽とは、洪水が一気に江戸川に押し流されて激しい水流とならないように、一時的に増水した水をため込むための巨大プールである。調圧水槽には巨大なポンプがあり、そこで水を吸い上げてから排水樋管を通し、江戸川へと排水するようになっている。
左上「トオルの降下地点はここでしょうか?」右上「ティルトローター機が着陸していたのはここ近辺のようですね」左「マサキはここを駆け下りたのでしょうか?」


 調圧水槽は長さ177m、高さ25.4m、幅78m。これを支える柱は59本あり、1本あたり長さ7m、幅2m、高さ18m。まるで巨大な神殿か何かであり、この圧倒的スケールは、写真だけではなかなか伝わりにくい。映画『ロード・オブ・ザ・リング』に登場したモリアの巨大地下都市をも思わせる。
 ここに水が入るのは、一年のうち雨が多くなる時期だけなので、そうでないときはこのように見学も可能(要予約)なほか、『仮面ライダー555』などのドラマや映画の撮影にも何度か利用されている。
「あのクライマックスシーンはここで繰り広げられたのでしょうか・・・」


 調圧水槽側から第1立坑を臨む。第1縦坑の深さは71mで、スペースシャトルや自由の女神がすっぽり入る深さだという。
「ナツキがバイクで走り、トオルがライフルで火車を狙撃したシーンはこの下にある縦坑同士をつなぐトンネルの中のようです」



 あくまで『喰霊』はフィクションの物語であり、外郭放水路を正確に描くことが目的ではないため、劇中の外郭放水路の描写には事実とは異なる多少の脚色も存在する。だが事実の裏付けがあってこそ、創作の物語にもより深みが生まれるのである。 (レポート:桝谷直俊)

国土交通省 関東地方整備局


本作品はフィクションであり、登場する人物、団体名等は実在するものではありません。(C)2008瀬川はじめ/[喰霊-零-]製作委員会